大崎市(鳴子温泉)編
大崎市は宮城県北西部にあります。平成18年3月に、1市6町が合併して大崎市が誕生しました。大崎市は山形県や秋田県にも隣接しており、新幹線や高速道路、複数の国道などが通るため、交通の重要拠点です。
その一方で、大崎耕土という広大で良質な土に恵まれた平野を有しており、食材や天然資源の宝庫です。また、市内にある鳴子温泉郷は古くから湯治場として知られており、泉質や湯量ともに豊富で、訪れる者に休息と癒しを与えます。今回は大自然に抱かれた美しい故郷、大崎市鳴子温泉郷を訪れました!
情緒溢れる湯治場「鳴子温泉郷」
鳴子温泉郷は1000年を超える歴史を持っており、発見されたのは837年。古来より源義経や松尾芭蕉に縁の深い土地とされており、言い伝えや伝説が数多く残されています。環境省が指定する国民保養温泉地で、日本国内にある11種類のうち、9種類の泉質が楽しめます。
更に周辺には東鳴子温泉、川渡温泉、中山平温泉、鬼首温泉といった温泉地が集まる、個性豊かな湯場をめぐる「湯めぐり」も体験できます。街中には老舗温泉宿をはじめ、共同浴場や足湯といった温泉施設が至る所に点在します。観光名所となっていますが、地元の人たちにとって憩いの場でもある温泉街はノスタルジックな雰囲気と人の温もりを感じることができます。
取材当時は秋の終わり頃で、気温は仙台の中心部に比べ低かったのですが、途中に入った共同浴場で地元の人と一緒に温まりつつ、ゆっくりと街中散策する事ができました。
名物甘味「栗だんご」をいただきました!
「だんご」と聞くと、串に刺さったお団子が最初に思い浮かぶ私ですが、ここ鳴子温泉郷にある「栗だんご」は違いました。注文して出てきたのは、たっぷりとみたらし餡がかかったツヤツヤのだんご。一見すると栗の要素がどこにもないですが、一口食べてみると、もっちりふわふわの餅の中に栗の甘露煮が丸ごと1個入っていました。甘くてしっとりとした栗と、しょうゆ油の味が程良いみたらし餡が食べた時の幸福感を格段に上げてくれます。付け合わせのお漬物とお茶で、立派な東北の“お茶っこ”を堪能することができました。
素朴な味わいの「栗だんご」は食べた瞬間思わず顔がほころんでしまうご当地スイーツでした!
鳴子こけしにほっこり♪
鳴子こけしは江戸時代末期より、鳴子温泉郷で造られるようになり、1981年に国の伝統的工芸品に指定されています。元々、お椀やお盆を挽く職人たちが自分の子供に玩具として与えたのがはじまりと言われています。 宮城県内には鳴子こけしを含む5系統の伝統こけしがあり、顔の表情や胴部分の絵柄、形も多種多様です。
取材中、街中を歩いていると様々な場所で鳴子こけしを目にしました。どれもあまりに可愛いので、出会う度に写真に収めてしまいたくなります。そこで、最後は撮影した鳴子こけしの一部をご紹介したいと思います。
懐かしさと癒しで心も体もやさしく包みこんでくれる温もりあふれる場所でした。表紙写真をご提供くださいました、大崎市観光交流課さま、紅葉が美しい鳴子峡のお写真をありがとうございました。