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コラーゲン・トリペプチドの機能性

講演会レポート

コラーゲン・トリペプチドの機能性

~美肌効果だけではない~

講師:ゼライス・中央研究所研究顧問 酒井康夫

2019年11月に東京都練馬区にてコラーゲン・トリペプチドに関する講演を行いました。今号では講演内容の一部をご紹介いたします。

まず、食べ物のコラーゲンと一般的なコラーゲンサプリメントとの違いについてですが、食べ物のコラーゲンはアミノ酸数が3000個に対して、一般的なコラーゲンサプリメントは30~100個です。このまま飲んでもすべてが吸収されるわけではなく、飲んでから胃腸でさらに消化酵素により分解されます。およそ95%以上が細かいアミノ酸に分解され、残った5%弱位がコラーゲンペプチドとして吸収されます。

コラーゲン・トリペプチドと
一般的なコラーゲンサプリメントとの違い

コラーゲン・トリペプチド(以降、トリペプチド)はアミノ酸数がわずか3個ですから、元のコラーゲンと比較して1000分の1くらいの大きさで、実際のサイズも約1nm(ナノメートル)と非常に小さいです。トリペプチドの機能性が発揮されるのはこの小ささに加えて、コラーゲンの「最小単位」であるということが重要なポイントです。「最小単位」であるからこそ、様々な機能性を発揮するということが最近分かってきました。
このため、トリペプチドを経口摂取すると消化管からとても素早く吸収されます。私たちの消化管の中にはアミノ酸を吸収する取り込み口(アミノ酸輸送体)がありますが、その他にトリペプチドの様な、より小さいペプチドを吸収する取り込み口(ペプチド輸送体)があります。これらを経由してアミノ酸やトリペプチドがダイレクトにそのままの形で吸収されます。
では、「吸収された後、どこへ向かうのか?」という事をラットの実験で調べた結果、皮膚や関節あるいは骨、軟骨などのコラーゲンと関係した結合組織にだけ選択的に届き、そこで機能性を発揮するということが分かりました。また、「どのくらい吸収性が高いのか?」について臨床試験をしたところ、トリペプチドの場合、経口摂取してから5分後には非常に効率よく、高濃度に血液中に移行し、関節や骨などに届く事が分かったのです。一方、一般的なコラーゲンサプリメントは吸収性が低い傾向にあります。
アミノ酸3個の非常に小さなサイズの「最小単位」だからこそ、吸収性に優れ、体の中で様々な働きをする。これがトリペプチドと一般的なコラーゲンサプリメントとの大きな違いです。

講演会の様子たくさんの方にお越しいただきました!

トリペプチドの“チカラ”

膝関節症に対する機能性について、「どうしてトリペプチドが効くのか?」を多くの動物やヒトを対象として調べました。例えば、変形性膝関節症のモデル動物(ウサギ)を対象にして、トリペプチド、そしてこれと比較するための一般的なコラーゲンペプチドをそれぞれ1ヶ月間与え続けました。その結果、一般的なコラーゲンペプチド群は(対照群と同じように)軟骨の摩耗が起きており、軟骨破壊も進んでいました。それに対してトリペプチド群は軟骨が残っており、ダメージが軽減されるということが分かりました。
軟骨の摩耗により関節の表面にできた亀裂も一般的なコラーゲンペプチドは対照群と変わらないのですが、トリペプチドは数が明らかに減っています。何故かというと、トリペプチドはプロテオグリカンや2型コラーゲン、ヒアルロン酸の産生を促進するからです。この実験から動物に有効だということが分かったので、ヒトを対象とした臨床試験を実施してみることになりました。関町病院の丸山先生にご協力していただき、当初120名の中からリウマチの患者を除いた軽度の被験者だけを対象として、対照群とトリペプチド群に分けて10週間飲んでいただきました。通常、一般的なコラーゲンペプチドを使った膝の試験は半年~1年かけて行うものですが、動物試験では短期間で有効性が示されたので、更に短い期間で実施していただきました。
すると、膝に溜まった関節液も減り、更に膝から発生する音(摩擦音)も有意に下がったという結果が得られました。臨床試験でも、トリペプチドは膝関節の軟骨の摩耗を軽減することが認められたのです。
トリペプチドは健やかな肌を保つだけではなく、膝関節の軟骨をはじめとして、骨、腱、靭帯、血管などのコラーゲンが関係している結合組織に対しても力を発揮するのです。

人間だけじゃない、象(動物園)にも!?

実は、膝の関節をよくするのはウサギやヒトだけではなく、大型動物の象の膝にも有効なことが分かってきました。現在、象はワシントン条約などによって輸出も輸入も禁止になっている為、日本の動物園では人間と同様に高齢化が進んでいます。体重がものすごく重い動物ですから、高齢化が進むと膝にかかる負担はとても大きくなります。多摩動物公園の獣医師から「関節症で苦しんでいる大型動物がいるので、どうにかならないか」という相談を受けて、本格的な投与試験を実施することになりました。多摩動物公園のアフリカ象(タマオ君)は痛い方の足だけ、いつも浮かしている状態でした。そこで、餌の豆乳にトリペプチドを溶かして毎日与えました。象は体重が5~7トンありますので、摂取させる量はとても多かったです。人の場合はスティック1本(4g)の摂取で十分ですが、体重が7トンにもなりますと約140倍の体重がありますので、1日にスティック150本以上(約600g以上)をペロッと飲んでしまいます。これを半年間、毎日与え続けました。合計で何万本分のトリペプチドを提供したか分かりません(汗)。その甲斐があって半年後、象の膝の状態が非常に良くなりました。活発に走り回り、メスにちょっかいを出すくらいまで元気になりました。
この話(データ)が獣医師の間で一気に広まり、北は北海道、南は沖縄まで様々な地域の動物園から、「トリペプチドを膝や骨の調子が悪い動物に飲ませたい」「詳しく説明して欲しい」との声がたくさん寄せられるようになりました。現在、トリペプチドは象だけでなく、キリンやサイ、ライオン、ミーアキャット、犬といった多種多様な動物の骨、関節の健康の維持や怪我の修復に寄与しています。コラーゲンの「最小単位」の“チカラ”が発揮された訳ですので、まさに、研究者冥利に尽きます。

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